道楽宴其之弐 令和三年 玉川遠州流正月茶会

静寂の中の、かそけき音。

 

帛紗(ふくさ)の塵払いは、山鳩が鳴くように。

柄杓(ひしゃく)の水音は、清水の沢のように。

 

ひとつの空間に、人が集まる。

そこに「沈黙」があれば、通常は良くない印である。

しかし、茶道では沈黙を前提としてひとつの空間を共有する。

沈黙は自己を露呈する。

沈黙の中で、人は己の中の雑音を聞く。

良いお手前は、この雑音を沈めてくれる。

雑音が少ない程、人は茶を楽しむ様になる。

かそけき音の中に、幽山の静寂を聴く様になる。

玉川遠州流茶道(ぎょくせんえんしゅうりゅうさどう)。

他の流派とは一線を画す、武家公家の両方の流れを汲む特異な流派です。

「お手前の特徴は、宮家流儀により、所作が丁寧で、動きが流れるように雅やかなところである。」

「茶道の流派の中でも珍しく、抹茶道煎茶道の両方が伝わっている」(ウィキペディア)

 

今回は、「お茶会そのもの」を味わって頂きたいと考え、固定カメラで撮影したお手前の開始から終了までそのままアップしました。28分と少し長い動画ですが、実際のお茶会の雰囲気、時間の流れ、間合いの取り方等、お客様になった気分で味わって頂ければ幸いです。

 

よくあるHow to動画を見ても、お茶会全体の中での動作のタイミングは分からない事が多く、「いつ懐紙を取り出せばいいの?」「お茶が運ばれて来たときどう受け取ればいいの?」と疑問を持っておられる方も多いと思います。私たちもそうでした。

そういう方はなかなか大寄せ(一般客を招いての公開お茶会)へ行く勇気が出ず、やっぱり茶道は先生に付いてちゃんと習わないとダメなんだなあ」という思いを抱き、茶道という素晴らしい日本文化に触れる機会を失い続けています。

 

今回の動画は、練習なし、編集なし、実際のお茶会そのまんま。実際のお茶席でどう振る舞えばいいのかが一目瞭然です。

お客様同士が途中でひそひそ話をしたり、お腹いっぱいでお菓子が食べられなかったりお菓子が大きすぎてなかなか取れなかったり、亭主が手順を忘れて後見(お茶会全体を陰で取り仕切る役)に教えられたり。

お茶会の本質はそんなに堅苦しいものではなく、ただいらしたお客様をお茶とお菓子でもてなし、掛け軸や花やお道具を見て楽しんで頂くだけのことです。

 

この動画が、皆さんが気軽に大寄せに行ける助けになれば幸いです。