手酌のススメ

お酒を飲むとき、誰かにお酌してほしいですか?

はじめの一杯は、まあまあまあどうもどうもどうも、とやるのもいいですが、あとは私は手酌でやりたい派です。だって飲むペースはみんな違うんですもの。

会社員だったときの飲み会は、ストレスのほかありませんでした。いつでも辞めたいいつ辞めようかと思いつつの会社員でしたので、上司のご機嫌をとろうとか、そんなことは考えていませんでした。けれども職場の和を乱すようなつもりもありません。ただ一個人として、先輩には敬意を表しつつ、平等な付き合いを心がけていたつもりです。

けれども社内では、アイツは生意気だ、態度礼節がなってない、というふうに見られていたようです。

理由は、人のグラスが空いているのを見て「あ、飲みます?」と聞いていたかららしいのです。普通はグラスの中身が減っているのを見て「あ、どうぞどうぞ」と注ぐものらしい。

そんな注ぎ足ししたら美味しくないじゃん!それに、もう飲みたくなくて他の飲み物に変えたいかもしれない。私は注ぎ足しされたくないです。自分のペースで飲みたいです。

 

会社員を辞めてフリーランスになってから、そういう飲み会は少なくなりました。増えたのは、一人飲み。仕事を終えて家に帰る前に、ちょっと飲むのが楽しみになりました。おでんを見つくろって一皿にビール一本。寒い季節は熱燗一本。これをやるのが至福のひとときです。小さなグラスに注いで、くいっと一杯。おでんが来たらまた注いで、これはゆっくり。

明るい時間に仕事が終わってちょっと汗ばんでいる時は、早くから開いている居酒屋に入って空豆とビール。これはさっといただいて帰ります。

自分ペースで飲むお酒は本当に美味しいし、悪酔いもしません。

 

若だんなは日本酒に限って人にお酌をさせたがりますが、私は自分でお銚子を傾けるのが好きです。私が気を回すことをしないので、若だんながお酒を注いでほしいときは、言わなくてはなりません。「注いで」とか「お願いします」とか言ってます。そのときは注いであげます。

ある会食のとき、隣に座っている若だんなが私の脇腹を肘で突きました。お酌をしてほしかったのです。その突かれた瞬間は、私が料理を口に入れる瞬間でした。私は箸を皿に戻して若だんなに言いました。「私が今、どういう状況なのか分かってた?」。

 

気持ちよくお酌をする、させるには、ことほど気を使わなければならないのです。普段飲みは手酌でいいじゃないですか。よけいな気を使わせることなく気分良く。ハッピーに盃を傾けません?