トーキョートキョート 2

もう一つの「裏原宿」

静かだ。

そして、日本の神社独特の、清澄でピリリとした空気が漂っている。

 

良い神社は皆この波動がある。日本人の背筋を伸ばし、ルーツに誇りを持つ根拠を与えてくれる波動である。

昔は日本人のほぼ全員がこの波動を感じる能力を持っていたが今は居なくなりつつあるので、神道に親近感を持つことはダサいとされる傾向があるが、この波動を感じられない事自体が日本人としてダサいというのが個人的な見解である。

 

そしておそらく日本で一番「ダサい」と言う言葉が嫌われるのがここ原宿かもしれない(いや、すでに「ダサい」と言う言葉自体ダサい可能性が高いが)。特に「裏原宿」と呼ばれる駅からやや離れた地区はファッションの最先端だった時期もあり、すれ違う者との無言の「コーデ勝負」が連日行われている地区でもある。

 

それはさておき、この裏原宿、通称「裏原」は原宿駅正面側から駅を背にして10分ほど歩いた場所にあり、「裏原宿」と言うよりは「はなれ原宿」とでも言うべき位置にある。

それに対して場所的に本当の「裏原宿」の位置にあるのが明治神宮だ。不遜な日本人である筆者は20年間原宿に通い続けたにも関わらず、神宮様にお尻を向けて豚骨ラーメンの方ばかり向いていたのであった。そして今回はこの事実に鑑み深く内省し、謹んで鳥居を潜らせて頂く事になったのである。

「あなたは古い森に好かれるので、森の中へよく行くようにしなさい。」

と霊感のある人から言われた事があるが、この森も良い波動を私の全身に注いでくれた。つま先から頭のてっぺんまで清澄な波動に包まれた感じがあり、とても気持ちがいい。今日の予定を全部変更して、ホテルに入るまでの間をここで過ごす事にする。

道のあちこちに春の兆しが見え、深い森の中に木漏れ日が差し、長い冬の緊張感から解放された人々の眉間の皺も大分緩んでいる様である。

「清正の井戸がパワースポットだそうですよ。」

若なかまにZoomで教えられ、拝観料500円を支払い庭園内を10分ほど歩いて見にいく。あちこちに春の花が咲き始めており、一眼レフ歴3ヶ月の腕前を遺憾無く発揮したがほぼ9割はイカン写真であった。ここに載せた1枚の裏には9枚以上の亡霊が隠れている。

・・・と言う事はどうでも良いが、丸い水面に映る木漏れ日が美しい。この写真を待ち受けにすると運気が上がるそうだ。ご使用はご自由にどうぞ。

さて、ここで初めて明かすが、今回の旅の目的は京都での茶会の出席である。

そこでお家元の前で茶道歴1年の筆者がお手前を披露するという、仙台支部長先生お気は確かですか?と言うとんでもない大役を仰せ使っている(と言っても勉強会という名目の練習お手前という形だが)。

その途中で知人に会い、少し寄り道していこうという事で今回の東京入りとなった。

 

そして今回の京都行きは期せずして聖・俗・聖・俗とまるで人間そのものの様な旅となった。

本能のラーメンフガフガ食いに始まり、その次は清澄な空気に包まれた明治神宮、そしてこの後はまた俗へ戻る事となる。

つづく