最後の日。
毎朝、近くのホテルからウチの部屋まで朝食を食べに来てもらっている。
1週間近く滞在していると、まるで自分の部屋に帰るみたいな感覚になってくるらしい。日にちが経つにつれ、みんな「ただいまー!」と言って部屋に入ってくる様になった。
それだけこの場所を信頼してもらっている印だと思うと、こんなに嬉しい事はない。さらに自分の地元が他県の人に気に入られる事も、まるで所有している株式が大幅に値上がりした様な嬉しさである(ひどい例えやな)。
私の持っている「俺ん家(おれんち)株」と「シオガマツシマ(塩竈松島)株」は、亜凛さん達という大物投資家のおかげで爆上がりである。ついでに色々推奨・宣伝してもらって「道楽庵株」と「若ふうふ株」も急速に値上がり中である。
実際に現金も「とり10」にご寄付頂いた。亜凛さん223,000円、笹尾さん106,000円である。ここでの売り上げの全てに加えて、私的にも6万円程出して頂いた。これは全く予想外の事で、これはもう塩竈神社に五体投地で参拝せねばなるまい。皆様と土地に感謝である。
ありがたい。ありがとう。
「とり10とり10キャンペーン」の枠も徐々に埋まりつつある。お早めのご寄付をお勧めします。
ここへ寄付するという事は後々のご自身の評価に繋がると思われる。「人とのつながり」を大切にし、育て、深く大きくしていっているこの「道楽庵」は成功する以外ありえないという事を、今この時点で見抜く極めて優れた目の持ち主である事の証明になるからだ。道楽庵の為の寄付ではない。ご自身の為である。
私にもっと遊ばせて下さい。あなたの代わりに、オモチロイ事を限界を超えてやります。今回の様に。
話がそれた。とか言ってまんまと宣伝してしまった。良し。
朝食後は何故か大コスプレ大会になり、亜凛乙姫と用心棒とアイドルヒーラーが誕生する。
その後はウチの駐車場に隣接するささやかな聖地、ファームオフィス「いけがき」にてお茶会である。
ここは亜凛さんに正式に「聖地」と認められており、本当に聖地なのだ。
ここ塩竈はハッキリ言ってそれほど知的レベルの高い都市ではなく、「手クセの悪い」方々が多い事は市内の常識になっている。植木を掘り出して盗まれたなど、ここでは良く聞く話だ。
そんな塩竈にありながら、しかも誰もが通る歩道の横、国道のすぐそばにありながら、不思議な程何も盗まれない。「モンベル」の高価なハンドライトを半年以上見える場所に放置しておいたのも盗まれないし、フェンスの外に成った大きなキュウリも、歩道から手を伸ばせばすぐに採れるのに誰も盗まない。これは普通塩竈ではあり得ない事である。
また、ここの居心地の良さは格別で、裸足になって地面と直接触れ合いながらここの椅子に座ると、誰もが無言になり、「根っこが生えた」様に動かなくなる。大地のエネルギーが足の裏を伝わってハラに充実し、頭の中がカラッポになってしまうのだ。文字通り勝手に「グラウンディング」してしまう。
写真の彼は完全にグラウンディングしてしまい、隣の話もそっちの気である。成る程盗む気も失せてしまう訳だ。
いくら笑顔で盛り上げても、別れはやっぱり寂しいものだ。
5月1日から7日まで、丁度1週間の滞在であった。6人分の食事を毎回調える合間に車での送迎やら買い出しやら観光案内やら目まぐるしい日々。でも自分たちはこの「部活動の合宿感」がたまらなく好きで、それを味わいたいからこの「道楽庵」を始めた様なものだ。
今回も目一杯の「合宿感」を味わわせて頂いた。今回は心が「青春時代」真っ只中の人達も参加してくれたので、彼らが数日で見違える様に成長するのを見せてもらったり、亜凛さんから大抜擢やお墨付きを頂いたりと、とても感動的な滞在であった。まさに青春。
去年までの様に普通に勤めていたら、こんな「青春目の当たり」に居られる事などまずあるまい。「あぁ、無職っていいなぁ〜」としみじみ思う。欠点は定期的にお金が入って来ない事位だが、それを何とかするのが無職の醍醐味である。こんな事バカにしかできないが。
8月の再会を約束して車に乗り込む亜凛さん達。お別れの言葉はもちろん、
「行ってきまーす!」だ。
「また帰っておいでー!」と送り出す。
車の大きさが点になって遠くのT道路を曲がるまで、亜凛さんは手を振り続けていた。
若おかみも、亜凛さん達に見える場所から、いつまでもいつまでも手を降っていた。
その間、信号は2回変わった。
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若おかみ (土曜日, 15 5月 2021 18:18)
朝食、夕食を作って食べてもらいました。
初めはお客様。ほどけてきて「お代わりある?」。後半は配膳、片付けをみんなで。
すっかり「合宿所のおばちゃん」になりました。よく食べてくれて、おばちゃんは嬉しいよ。