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苦痛礼賛

残念、

楽しんで

到達した

者は無い 

 

残念、

 

祝祭は道でない

それは唯の商売 

 

お祝いですよ!

喜びましょう!

それが道です!

 

確かに主催者たちは

金山の前でのお祝い

 

残念。

 

もしも反論するならば

楽しんで到達した者は

名乗り出よ

我それ也と

 

念の為言っておくが

到達していない者に

誰が到達したかなど

全く分かりはしない

 

祝祭の道は完全にこの世界の原理に反している

世界が創られたのはただ苦痛を味わう為だから

 

祝祭に意味があるとすれば

祝祭して祝祭して祝祭して

祝祭にうんざりすることだ

 

世の全てを手に入れても

真の祝祭など不可能だと

心の底から理解する事だ

 

液晶の壁の向こうの絵は

この事実を隠す為のもの

人類を騙すのは簡単な事

祝祭の絵を見せれば良い

真の富豪達は知っている

この人生は失敗だったと

 

中途半端な祝祭は

人の歩みを鈍らせ

地獄の滞在期間は

無期限延長される

 

この世界は梯子でしかない

いつまで梯子にしがみつく

半端な祝祭こそが最大の罪

それは人を梯子に固定する

 

早く梯子を昇って行き

真の祝祭を祝うといい 

 

梯子に腰かけて

祝祭という飴を

舐め続けるのは

もういいだろう

 

真の恩寵は 

祝祭などではない 

飛び切りの苦痛の事だ 

梯子の途中で飴を舐めているあなたの尻を

思い切り突き刺す矢の事だ

 

あなたはその痛みに飛び上がり

梯子を登らざるを得なくなる

 

苦痛は大きい程良い

回数も多い程良い

その分早く梯子が昇れる

 

心配はいらない

苦痛を注ぎ込むバルブは

見えざる手によって

完璧な調整がされている

 

あなたは丁度良い苦痛を受け取る事になっている

例え耐え切れないと思われたとしても

 

祝祭は道ではなく

苦痛こそが道だという証拠を

我々は毎日見ている

 

苦痛無く育った者と

苦痛の中に生きて来た者の顔を見よ

どちらの目が深いか

誰でも分かるだろう

 

大人になるという事は

祝祭の正体を見抜くこと

自分の中の苦痛に気付くこと

苦痛こそが教師であると知ること

 

大人になるという事は

自分の苦痛と向き合い

この苦痛を克服するのだと決心すること

 

そしてその闘いの中で

苦痛の原因は

自分のみにある事に気付くだろう

苦痛の責任は

自分だけで持つしかない事に

 

本当の許しとは

許す事ではなく

単に気付く事なのだ

誰にも責任など無かったと

 

苦痛なる師こそ誠に尊けれ

 

それは極めて正確に

我々の間違いを照らしてくれる

これほど有難いものは存在しない

最初は浅く大きな苦痛の梯子を

 

登る

 

何度も梯子から落ちるが

登り続けていれば

いつかコツが分かる

この辺はまだ登り易い

世界が相手だから

 

足下が高くなると

梯子は段々細くなり脆くなる

支えは無い

苦痛は深く微細になり

師の声は小さく微妙になっていく 

 

油断無く

耳を澄ませ続けなければならない

一瞬の気の緩みで

梯子は崩れ落ちる

 

今度の相手は手強い

自分の中の秘密の泥流だから

それでも血を流しながら

 

昇る

 

苦痛は我々に気付かせる

この世界は梯子なのだと

 

祝祭は我々に忘れさせる

この世界は地獄なことを

 

祝祭と共に来る者に注意せよ

絶望と共に来る者を歓迎せよ

死の床で気付いても遅いのだ

 

苦痛が無ければ祝祭もない

苦痛が無い世界は真の苦痛

 

理解は早い程良い

ここに生きられる

為す為の時は短い

 

祝祭の中に居る時は

その喜びの中にある

苦しみに気付くのだ

 

そんな偽物の祝祭などは後にして

本当の祝祭に向けて登り昇るのだ

 

残念、

 

苦痛から逃げ切れた 

人間はいない

梯子を昇らない限り

師はいつまでも

あなたを叩き続ける

 

この苦痛とは

忘れる物でなく

誤魔化す物でなく

逃亡する物でもない

 

この苦痛とは

正面から向合い

喜んで迎えるべき

あなたの親友なのだ

 

苦痛を凝視し

苦痛を尊敬し

苦痛を抱擁し

苦痛に突入し

苦痛を克服し 

最後に、苦痛に感謝する

 

祝祭と苦痛

どちらの道を行くのも自由

 

祝祭の道は緩やかで長い

苦痛の道は険しくて短い

残された時間はもう無い

 

悪魔の選択は他人事ではない

まさに今突きつけられている

 

魂を売り偽の祝祭を買うか

苦痛という名の対価を払い

真の祝祭への梯子を登るか

 

祝祭と苦痛

どちらの道を行くのも

 

あなたの自由。

転載自由