· 

時間を超える方法

セメント10年

松の根100年

花崗岩10万年

 

 

 

0次元、点

1次元、線

2次元、面

3次元、立体

4次元、時間  ←イマココ

 

線上の点はそこが線であることを知らない

ただ線上を往復するのみ

線が面になって、初めて線を横から一望する

 

面上の点はそこが面であることを知らない

ただ面上をあちこち彷徨うのみ

面が立体になって、初めて面を上から一望する

 

4次元上の点である我々は時間を知らない

ただそれと共に流れるのみ

時間より上に行ったとき

初めて我々は時間を一望する

 

その次元では

我々の一生は一つの彫刻となって

静止して存在している

 

しかし、のろまな4次元にいる我々は

その彫刻を見るのに一生をかける

 

生まれた時は彫刻の根本

友達と駆け回る時は彫刻のふもと

悩みの時期は真ん中くらい

苦労の時期はだんだん上に

疲れた時はもうすぐ頂上

 

ここからサヨナラする時に

初めて自分の彫刻の全体を見る

それは一生をかけた、自分の作品

 

そこでは

美も醜も

喜も哀も

善も悪も

生も死も

全てが不可分な一体になっている

 

そこでは

美も醜も

喜も哀も

善も悪も

生も死も

同じものの裏返し

 

時間を上から見てみれば

美だ醜だ

喜だ哀だ

善だ悪だ

生だ死だ

と言うことは

 

同じ像を見た蟻たちが

目だ鼻だ

足だ尻尾だ

と言うのと同じ

 

我々は時間の上には行けないが

全てを許すことで

時間より上の知覚を得る

そしてこの次元を一望する事ができる

 

醜は美の裏返し

哀は喜の裏返し

悪は善の裏返し

死は生の裏返し

 

許せない人は

時間に縛られ

地面に這いつくばる

 

許す人は

時間を超えて

地面から飛び立つ

 

許せば許すほど

この身は軽くなり

生は音楽を奏で始める

 

許すこと

それは

時間を超えて羽ばたく秘密